「つまり、梨華の言い分はこうなんだね。
秀哉がプロポーズさえしなければ、自分は赤ちゃんを産む決心はしていなかった。
だからその責任を取れって、そういうことだよね?
でも私、そんな責任は秀哉にないと思うけど」
私の言葉を聞いた梨華が、怒ったように顔を真っ赤にさせた。
「充分あるわよ!
だって秀哉があんなことを言わなければ、私はもうとっくに赤ちゃんとさよならしてた。
つわりで苦しむことも、こんなふうに入院することもなかったんだから」
あまりに予想通りの答えで、なんだかため息が漏れた。
崎田君の言う通りだった。
梨華はすっかり被害者意識になっているんだね……。
全ては、自分が招いてしまったことなのに……。
「ということは梨華、後悔してるってこと?
あの時、赤ちゃんとお別れしておけば良かったって」
「まぁ、そうね。
秀哉さえそんな申し出をしなければ、私は普通に仕事を続けていたはずだから」
「ふぅん……」
後悔しているんだ。
赤ちゃんを産む決意をした自分を……。
「ねぇ、梨華。知ってた?」
「何が?」
私は一度大きく深呼吸をすると、まっすぐに梨華を見据えた。
「中絶の手術ってね。
妊娠22週までは受けられるのよ……」
秀哉がプロポーズさえしなければ、自分は赤ちゃんを産む決心はしていなかった。
だからその責任を取れって、そういうことだよね?
でも私、そんな責任は秀哉にないと思うけど」
私の言葉を聞いた梨華が、怒ったように顔を真っ赤にさせた。
「充分あるわよ!
だって秀哉があんなことを言わなければ、私はもうとっくに赤ちゃんとさよならしてた。
つわりで苦しむことも、こんなふうに入院することもなかったんだから」
あまりに予想通りの答えで、なんだかため息が漏れた。
崎田君の言う通りだった。
梨華はすっかり被害者意識になっているんだね……。
全ては、自分が招いてしまったことなのに……。
「ということは梨華、後悔してるってこと?
あの時、赤ちゃんとお別れしておけば良かったって」
「まぁ、そうね。
秀哉さえそんな申し出をしなければ、私は普通に仕事を続けていたはずだから」
「ふぅん……」
後悔しているんだ。
赤ちゃんを産む決意をした自分を……。
「ねぇ、梨華。知ってた?」
「何が?」
私は一度大きく深呼吸をすると、まっすぐに梨華を見据えた。
「中絶の手術ってね。
妊娠22週までは受けられるのよ……」



