「何しに来たの……?」
梨華が険しい顔で尋ねた。
おそらくひどく警戒しているのだろう。
たった一人でここに来た私のことを……。
「秀哉と別れろって言いに来たの?」
察しの良い梨華。
それなら話は早いかもしれない。
「菜穂って、大学入学当時から秀哉のことが好きだったんでしょう?」
梨華の言葉に、私はゆっくりと頷いた。
そうだよ。
殺陣部に入部した初日。
新入生が一人一人自己紹介をしたあの時。
秀哉の綺麗な横顔に目を奪われたの。
仲良くなっていくうちに、秀哉の優しさや人柄にどんどん惹かれていって。
気づいたら、走り出した思いはもう止められなかった。
でも、それとほぼ同じ時期に、秀哉は梨華に惹かれていた。
私が秀哉を思うのと同じくらいの強い気持ちで。
あの時から、私達の一方通行は始まっていたんだ……。
「たとえそうだとしても、もうダメだから。
だって私と秀哉は婚約したんだもの。
私の両親にも会わせてあるし、もうすぐ入籍するんだから」
必死に訴える梨華。
梨華がそう言うだろうということはわかっていたから、私はいたって冷静だった。
梨華が険しい顔で尋ねた。
おそらくひどく警戒しているのだろう。
たった一人でここに来た私のことを……。
「秀哉と別れろって言いに来たの?」
察しの良い梨華。
それなら話は早いかもしれない。
「菜穂って、大学入学当時から秀哉のことが好きだったんでしょう?」
梨華の言葉に、私はゆっくりと頷いた。
そうだよ。
殺陣部に入部した初日。
新入生が一人一人自己紹介をしたあの時。
秀哉の綺麗な横顔に目を奪われたの。
仲良くなっていくうちに、秀哉の優しさや人柄にどんどん惹かれていって。
気づいたら、走り出した思いはもう止められなかった。
でも、それとほぼ同じ時期に、秀哉は梨華に惹かれていた。
私が秀哉を思うのと同じくらいの強い気持ちで。
あの時から、私達の一方通行は始まっていたんだ……。
「たとえそうだとしても、もうダメだから。
だって私と秀哉は婚約したんだもの。
私の両親にも会わせてあるし、もうすぐ入籍するんだから」
必死に訴える梨華。
梨華がそう言うだろうということはわかっていたから、私はいたって冷静だった。