「と、とりあえず入院に必要なものは、私が用意するね」
気まずい空気を引き裂くように、口を開いた。
必要なものは洗面道具やタオル、下着や着替えだよね。
秀哉だときっとわからないだろうから、それは私がするとして。
「だけど、その書類はどうしたらいいのかな……」
入院の身元引受人って、患者本人が万が一入院費を払えない時、代わりにそれを支払うんだよね。
梨華って、ちゃんと保険に入っているのかな。
入っているとしても、保険会社からお金が振り込まれるまでには時間がかかるはず。
だから、病院に支払うお金は一旦自分で準備しないといけないわけだけど。
こんな綺麗な個人病院、一体一泊いくらするんだろう。
入院が長引いたら、相当な額になるはず。
秀哉の話だと、梨華はもうほとんど貯金がないらしいし。
そうなると、支払うのは身元引受人の欄に名前を書いた人になってしまう。
それを秀哉に書かせるなんて、そんなこと。
絶対にしたくない……。
「秀哉は婚約者じゃないんだから、その欄に名前を書く義務はないよ。
だから、絶対に書かないで」
「うん……。もちろんそのつもりだけど。
でも、どうしたらいいんだろう。
早く提出しないといけないのに……」
そうだよね。
そんなに時間はないんだよね……。
だったら……。
「ねぇ、秀哉」
「何?」
「もうこうなったら……。
梨華の両親に連絡するしかないと思う……」
気まずい空気を引き裂くように、口を開いた。
必要なものは洗面道具やタオル、下着や着替えだよね。
秀哉だときっとわからないだろうから、それは私がするとして。
「だけど、その書類はどうしたらいいのかな……」
入院の身元引受人って、患者本人が万が一入院費を払えない時、代わりにそれを支払うんだよね。
梨華って、ちゃんと保険に入っているのかな。
入っているとしても、保険会社からお金が振り込まれるまでには時間がかかるはず。
だから、病院に支払うお金は一旦自分で準備しないといけないわけだけど。
こんな綺麗な個人病院、一体一泊いくらするんだろう。
入院が長引いたら、相当な額になるはず。
秀哉の話だと、梨華はもうほとんど貯金がないらしいし。
そうなると、支払うのは身元引受人の欄に名前を書いた人になってしまう。
それを秀哉に書かせるなんて、そんなこと。
絶対にしたくない……。
「秀哉は婚約者じゃないんだから、その欄に名前を書く義務はないよ。
だから、絶対に書かないで」
「うん……。もちろんそのつもりだけど。
でも、どうしたらいいんだろう。
早く提出しないといけないのに……」
そうだよね。
そんなに時間はないんだよね……。
だったら……。
「ねぇ、秀哉」
「何?」
「もうこうなったら……。
梨華の両親に連絡するしかないと思う……」



