「秀哉、最低だね」
しばらく黙って俺を睨んでいた梨華が、ようやく口を開いた。
さっきまで、あんなに穏やかであたたかな空気に包まれていたのに。
この部屋はまるで正反対。
冷たくてピリピリとしていて、少しの時間もここにいたくないと思うほどに。
「LINEは無視するし、電話にも出ないし。
大体何なの?
私とキスした後、大事な用があるって急に部屋を飛び出すなんて。
確かめたいって言ってたけど、一体何を確かめに行ったの?
誰と会ってたの?
会社の友達の部屋に泊まるなんて、どうせ嘘なんでしょう?」
立ち上がって、早口でまくしたてる梨華。
確かに、キスの後で部屋を飛び出したり。
LINEの返信もろくにしなかったら、怒るのは当然だ。
最低だと罵られても仕方がない。
「ごめん……。あんなふうに突然飛び出して……」
だけど、後悔はしていない。
連絡の取れない菜穂と会うには、あの時間にあの場所に行くしかなかったから。
美しい花々に囲まれ、真っ白い花束を抱えていた菜穂は、本当に綺麗で……。
まるで聖母か天使のように見えた。
梨華とのことで、気持ちはどん底だったのに。
菜穂の姿を見ただけで、なんだか救われた気がしたんだ……。
しばらく黙って俺を睨んでいた梨華が、ようやく口を開いた。
さっきまで、あんなに穏やかであたたかな空気に包まれていたのに。
この部屋はまるで正反対。
冷たくてピリピリとしていて、少しの時間もここにいたくないと思うほどに。
「LINEは無視するし、電話にも出ないし。
大体何なの?
私とキスした後、大事な用があるって急に部屋を飛び出すなんて。
確かめたいって言ってたけど、一体何を確かめに行ったの?
誰と会ってたの?
会社の友達の部屋に泊まるなんて、どうせ嘘なんでしょう?」
立ち上がって、早口でまくしたてる梨華。
確かに、キスの後で部屋を飛び出したり。
LINEの返信もろくにしなかったら、怒るのは当然だ。
最低だと罵られても仕方がない。
「ごめん……。あんなふうに突然飛び出して……」
だけど、後悔はしていない。
連絡の取れない菜穂と会うには、あの時間にあの場所に行くしかなかったから。
美しい花々に囲まれ、真っ白い花束を抱えていた菜穂は、本当に綺麗で……。
まるで聖母か天使のように見えた。
梨華とのことで、気持ちはどん底だったのに。
菜穂の姿を見ただけで、なんだか救われた気がしたんだ……。



