秀哉にそう言われて、心の底から驚いた。


まさか秀哉に、そんなことを言われるなんて……。


「菜穂が好き。

めちゃくちゃ好きだよ。

今までも好きだったけど。

これが恋愛感情だってわかったら、もっと好きになった……」


秀哉が、私を好きと言ってくれている。


何度も、何度も……。


これは、夢……?


夢なのかな……。


「菜穂とずっと一緒にいたい。

いっぱい話して、いっぱい笑って。

菜穂と二人で、生きていきたい。

でも、もう手遅れなんだ……」


そう言うと秀哉は、私のサイドの髪に触れた。


その感触に、涙が出そうになった。


「ねぇ、秀哉。

手遅れっていう、その意味は……。

私の心がもう秀哉から離れているってこと?

それとも……」


私は一度下を向いてふぅと息を吐くと、秀哉の顔を見上げた。


「梨華とは、別れられないってこと……?」


私の髪に触れたまま、動きが止まっている秀哉。


しばらくすると、きゅっと目を細めて悲しそうに呟いた。



「その両方……」