「じゃあ行こうか」
そう言って、椅子から立ち上がる菜穂さん。
だけど、次の瞬間。
彼女はガクッと、もう一度椅子に座り込んでしまった。
「ど、どうしたんですか? 菜穂さん」
急に立ったから、めまいでもしたのかな。
「あれ? 変だな……。立ち上がれない」
様子のおかしい菜穂さんのそばに慌てて走って行くと。
彼女はなんだか苦しそうで、目の焦点が合っていなかった。
「すみません。ちょっと失礼します」
そう言って僕は、彼女のおでこにそっと手を置いた。
「え……?」
嘘だろ? こんな。
「すげー熱い。
菜穂さん、熱が出てる」
「えっ、熱? 本当に?
でも私、風邪の症状なんて全然ないのに」
「だったら、余計に心配だ。
すぐに病院に行った方がいいです。
隣のビルのクリニック、12時半まで受け付けてくれるから、まだ間に合いますよ」
「わ、わかった……」
戸惑いつつも、僕に応じる彼女。
立ち上がるとどうしてもよろけてしまうから、とっさに僕が支えた。
「ごめんね。迷惑かけて……」
「僕は大丈夫だから。さ、行きましょう」
迷惑だなんて、とんでもない。
成り行きとはいえ、僕を頼って寄りかかってくれるんだから。
それは、やっぱり嬉しい……。
菜穂さんがこんなにつらそうなのに、僕は不謹慎にもそんなことを思っていた。
そう言って、椅子から立ち上がる菜穂さん。
だけど、次の瞬間。
彼女はガクッと、もう一度椅子に座り込んでしまった。
「ど、どうしたんですか? 菜穂さん」
急に立ったから、めまいでもしたのかな。
「あれ? 変だな……。立ち上がれない」
様子のおかしい菜穂さんのそばに慌てて走って行くと。
彼女はなんだか苦しそうで、目の焦点が合っていなかった。
「すみません。ちょっと失礼します」
そう言って僕は、彼女のおでこにそっと手を置いた。
「え……?」
嘘だろ? こんな。
「すげー熱い。
菜穂さん、熱が出てる」
「えっ、熱? 本当に?
でも私、風邪の症状なんて全然ないのに」
「だったら、余計に心配だ。
すぐに病院に行った方がいいです。
隣のビルのクリニック、12時半まで受け付けてくれるから、まだ間に合いますよ」
「わ、わかった……」
戸惑いつつも、僕に応じる彼女。
立ち上がるとどうしてもよろけてしまうから、とっさに僕が支えた。
「ごめんね。迷惑かけて……」
「僕は大丈夫だから。さ、行きましょう」
迷惑だなんて、とんでもない。
成り行きとはいえ、僕を頼って寄りかかってくれるんだから。
それは、やっぱり嬉しい……。
菜穂さんがこんなにつらそうなのに、僕は不謹慎にもそんなことを思っていた。



