「じゃあね、秀哉」
そう言うと私は、私の腕を掴む秀哉の手を自分からそっと離した。
ふと自分の腕を見ると、秀哉に強く握られていた場所が真っ赤になっていた。
「ごめんね」
良い友達でいられなくて。
こんなふうに、去ることになってしまって。
「本当に、本気で好きだったよ」
秀哉の良いところも悪いところも。
たまにボサボサで決まらない髪も。
全部が大好きだった……。
好きって言いたくて言いたくて。
でも、言えなくて。
やっと伝えることが出来たのに。
これが最後になるなんて……。
今にも泣きそうな顔で、私を見つめる秀哉。
出来れば、最後に見る顔は。
秀哉の優しい笑顔が良かったけど。
「バイバイ。元気でね」
そう言うと私は、くるりと秀哉に背中を向けた。
その途端、涙が止め処なく溢れて来たけど。
拭わないで、そのまま歩いた。
秀哉はと言うと、もう私を追って来たりはしなかった。
一歩一歩足を進めるたび。
二人が結婚するという現実が、私の心を重く支配していた。
それがあまりに苦しくて。
いっそこのまま。
秀哉との思い出ごと消えてしまいたかった……。
そう言うと私は、私の腕を掴む秀哉の手を自分からそっと離した。
ふと自分の腕を見ると、秀哉に強く握られていた場所が真っ赤になっていた。
「ごめんね」
良い友達でいられなくて。
こんなふうに、去ることになってしまって。
「本当に、本気で好きだったよ」
秀哉の良いところも悪いところも。
たまにボサボサで決まらない髪も。
全部が大好きだった……。
好きって言いたくて言いたくて。
でも、言えなくて。
やっと伝えることが出来たのに。
これが最後になるなんて……。
今にも泣きそうな顔で、私を見つめる秀哉。
出来れば、最後に見る顔は。
秀哉の優しい笑顔が良かったけど。
「バイバイ。元気でね」
そう言うと私は、くるりと秀哉に背中を向けた。
その途端、涙が止め処なく溢れて来たけど。
拭わないで、そのまま歩いた。
秀哉はと言うと、もう私を追って来たりはしなかった。
一歩一歩足を進めるたび。
二人が結婚するという現実が、私の心を重く支配していた。
それがあまりに苦しくて。
いっそこのまま。
秀哉との思い出ごと消えてしまいたかった……。