「何か…バタバタしちまって全然会えなくて」
「そうだね、何かシーズンズに光がいるって不思議な気分だよ」
「俺も!さくらがシーズンズで働いてるのは不思議な感じ!
まるで昔に戻ったみたい!
高橋がシーズンズに戻りたいって嘆いていたけどな」
「あはは!あたしにも愚痴の電話がよく来るよ!
あれだけやったんだから自分の我儘がひとつくらい通ると思ってた、って。
それがさくらの我儘だけ通って俺の我儘は全部却下されたって」
「あいつらしい。
でも高橋はONEですごく頑張ってくれてる」
光が新しく七色グループのオーナーになって
結局光のお店でわたしは働き続けているわけなんだけど
朝日の時はそうまで思わなかったけど、やっぱり光はどこか真面目で
オーナーになってからはゆっくりと顔を合わせる時間もなかったし、予想以上に忙しそうだった。
朝日が築き上げたもの。それを引き継ぐだけならば簡単だけど、継続させていく事は思っている以上に大変な事。
その責任も全て請け負って笑っている光は、昔と変わらないように見えたけど
この世界に変わらないものなんて、きっと無い。
変わっていないように見えても、少しずつ変わっていって、わたしもきっと…。
でも変わっていく事は悲しい事ばかりじゃないよ。



