何やってんのよ!と顔を見たら1番にそう言ってやろう。
そう決めながら、微笑みVIPルームへ足を踏み入れる。
「いらっしゃいませ!さくらさんです!」
涼、そう言いかけて、思わず足が止まる。
VIPルームのソファーには、涼と綾乃。そして遥がいて、遥の隣にびっくりするような来客がいたから。
「え?!」
「さくら!誕生日おめでとう」
「…光?」
目の前に、光の姿。
光は笑顔で立ち上がり、わたしの腕をひいてソファーに座らせた。
…驚いた。思わず開いた口が塞がらないほど。
スーツ姿の光の首元に水色のネクタイ。少しだけボロボロになってしまっていたけど、それはわたしがいつかプレゼントしたものだ。
「深海、お祝いの席だからシャンパンでも空けてよ」
「ありがとうございます」
VIPルームから足早に出て行った深海と、びっくりしすぎて未だに開いた口が塞がらないわたし。
その顔を見て、光がいつもと変わらない優しい笑みを浮かべて笑った。
「何だよ、その顔っ!」
「いや、びっくりして。
何でこんなところにいるの?!」
「自分のお店の女の子の誕生日祝いに来て何が悪いんさぁ~!
遥さんにもトリガーにもお世話になってるし、さくらのお祝いがしたくて来たんだけど?」



