「さくら、だいじょうぶ?」
「ちょっと酔っぱらってしまいました~!」
「うん、その顔は酔っぱらってるね。
少しお水飲もうか?」
「はぁーーーー…ONEでゆりさんと勝負してる時は酔っぱらったりしなかったんだけどなぁー…」
「あの時は嬉しさより緊張感のが勝ってたからだろ。
ずっと緊張状態でいるといくら飲んでも冷静なもんだ。
まぁ祝いの席くらいそのくらい気を抜いてもいいと思うよ」
「はーい」
バックヤードで携帯を開く。
殆どのお客さんは予定通り来店してくれた。
けれど昼間会った、遥と来る予定だったはずの涼から連絡はなかった。
「なんだよ、あいつ…
連絡もしないで」
「どうした?」
「深海さん!涼ですよ!涼!
今日遥さんと来るって言ってたのに!
遥さんと来るって言ってたからてっきり早く来るのかなーと思ったんだけど全然連絡もないんだもん!!」
少しお酒の入っていたわたしは頬を膨らませて、珍しく深海に愚痴る。
まぁまぁと宥める深海のインカムにちょうど連絡が入った。



