「お~ッ怖ッ!」
そのふたりのやり取りに大人しく座っていた小笠原がプッと吹き出す。
「何でこいつと相席よ……」
「まぁまぁ、ゆり…。今日はめでたい席なんだから。
さくらちゃん、誕生日おめでとう。
これ大した物じゃないけれど、僕から誕生日プレゼントだよ」
「わぁ!小笠原さんありがとうございます!
ゆりさんも来てくれてありがとうございます!お花も届いてましたよ!」
「別に……」
ゆりは不愛想に煙草をふかしそっぽを向いた。
「祝いに来たわけじゃないから。
ちょーどバースデーって事で小笠原さんと同伴出来るってだけでついてきただけだから!
あんたのバースデーを利用しただけだから!!!」
「おいおいゆり…僕を利用したなんて傷つくなぁ~!」
小笠原は全然傷ついてない顔をしてゆりとわたしのやり取りをお父さんみたいに見守っていた。
「ゆりからさくらちゃんの誕生日だから是非お祝いに行きたいって。
本当は今日テレビの取材があったんだけど断ったんだろ?」
「小笠原さん!それは言わない約束!!」
「ほんと、素直じゃないから、君は…」



