【完】さつきあめ〜2nd〜


「じゃあ、あたし小笠原さんのところから着くね。
安井さんのところはみほさんに…
河野さんのところには岬ちゃんに着いてもらえるようにお願い出来るかな?」

「はいはい。
ほんとーにさくらは昔シーズンズに居た頃に比べたら変わったなぁ。
付け回しの指示なんてするの、シーズンズじゃあさくらくらいだよ」

「色々なお店で色々な女の子に出会って、沢山の仕事の仕方があるって教わったから…」

「そっか。
まぁ小笠原さんの卓と相席してONEの雪菜さんが元木さんと来ているよ。
小笠原さんの卓は綾乃にも着いてもらってるから、よろしくね」

「雪菜さんも来てくれたの?!」

今朝ラインで「おめでとう~!」って連絡が入っていた。
お花だって送ってくれたのに、お店に来るなんて一言も言わなかった。
本当に人をびっくりさせる事が好きな人だ。
彼女の何気なく取る優しさが、いつだってわたしの心を温かくさせた。
不思議な人だ。

隣同士並んで、雪菜とゆりが座っていた。
そこに小笠原と元木。
そして綾乃がヘルプの椅子に腰をおろしていた。

わたしに1番に気づいた元木は手をあげて「さくらちゃーん!!」と陽気に名前を呼んできた。