時には人の好意に甘んじる事。大切な時に素直になれなかったわたしは、いつも大事な場面で意地ばかりはっていてしまった。
雪菜はわたしにぼそりと言った。
「ほら言ってたでしょ?あなたと初めてちゃんと話した時に」
ふといつかの言葉が頭をよぎる。
’負ける時の事なんて何も考えちゃいないんだもん。
そんなあなたを応援してくださるお客様はきっと沢山いるわ……
あなたが置き忘れた、過去にもきっと…
「雪菜さん、最初から……」
「桜井さんが来てくれる保証なんてあたしにもなかったけどね。
結果的にあたしもあなたも賭けに勝ったって事。
じゃあ、桜井さんごゆっくりね~っ!!!」
VIPルームに華やかなボトルが並べられた。
まるで夢のような光景だったけれど、目の前の桜井の姿はもっと夢のようだった。
桜井は経済力では、小笠原に負けないほどの人だと聞いた事がある。
勿論ゆりが求めていたお客さんそのもので、けれどこの土壇場で彼はゆりではなくて、わたしを選んでくれた。
「ゆりちゃん…さっき来た時に物凄く喜んでくれたんだ。
絶対勝ちたい勝負があるから、桜井さんは救世主だって。
でもさくらちゃんを指名しにきたって言ったらすごく悲しそうな顔をした。もっと怒ったり怒鳴られたりすると思っていた……」
「ONEではゆりさんを指名してたから……」
「でも今日はどうしても譲れないよ。
さっ、飲もう」
雪菜はわたしにぼそりと言った。
「ほら言ってたでしょ?あなたと初めてちゃんと話した時に」
ふといつかの言葉が頭をよぎる。
’負ける時の事なんて何も考えちゃいないんだもん。
そんなあなたを応援してくださるお客様はきっと沢山いるわ……
あなたが置き忘れた、過去にもきっと…
「雪菜さん、最初から……」
「桜井さんが来てくれる保証なんてあたしにもなかったけどね。
結果的にあたしもあなたも賭けに勝ったって事。
じゃあ、桜井さんごゆっくりね~っ!!!」
VIPルームに華やかなボトルが並べられた。
まるで夢のような光景だったけれど、目の前の桜井の姿はもっと夢のようだった。
桜井は経済力では、小笠原に負けないほどの人だと聞いた事がある。
勿論ゆりが求めていたお客さんそのもので、けれどこの土壇場で彼はゆりではなくて、わたしを選んでくれた。
「ゆりちゃん…さっき来た時に物凄く喜んでくれたんだ。
絶対勝ちたい勝負があるから、桜井さんは救世主だって。
でもさくらちゃんを指名しにきたって言ったらすごく悲しそうな顔をした。もっと怒ったり怒鳴られたりすると思っていた……」
「ONEではゆりさんを指名してたから……」
「でも今日はどうしても譲れないよ。
さっ、飲もう」



