「はいはい話はそこまでー!!
さえさんは2階5卓で、みきさんは1階の10卓お願いします!
さくら…、雪菜さんは元木さんのVIPにつきっきりでいいんだよな」
高橋が女の子の輪の中に入ってきて、わたしに尋ねる。
こくんと頷いて、雪菜の方を向く。
「正直…雪菜さんの指名のお客さんがいなかったらこの勝負は勝負にもなってなかったと思ってますから。
雪菜さんには最もボトルがおりる元木さんをお願いしたいと思ってます…。もちろんあたしも顔を出しますけど、基本は雪菜さんにお任せしたいと思ってます」
「おっけー任せてよ。
あ、でも高橋くん、22時過ぎに大事なお客さんが来るからその時は少しだけ抜いて欲しいな」
「お名前の方は?ボトルとお席の用意しておきますよ?」
「ううんっ!うちの指名客じゃないんだっ。ここではゆりを指名してると思うっ!」
「ゆりさん!?」
わたしと高橋の頭の中ははてなマークでいっぱいになっていた。
「ゆりさん指名客ならば、ゆりさんを指名すると思うんですけど…」
「ううん、その人は必ずさくらちゃんを指名すると思う。
あたしも知り合いだから、ちょっと声かけて欲しいんだ」
「…分かりました」
「おけっ!じゃあたし元木さんのところで頑張りまくろう!!」
そう言って元木の元へと行こうとした雪菜を引き止める。



