雪菜がついていくのなら、最初はそんな感じだったONEの女の子たち。
でも次第にわたしにも話をかけてくれるようになって、自分の売り上げになんかひとつもならないのに、毎夜潰れるまで頑張って飲んでくれるようになった。
「おはようございます!皆さんが協力してくれるお陰ですっ!」
そっと雪菜が耳打ちをする。
「ゆり、今日同伴してこなくってオープンから指名回ってる。
見て分かると思うけど、勝負かけにきてる感じの客層でしょ?
あれだけお金持ってるお客さんを集められるゆりもゆりだけど…。
お金持ちほど執着心が強いから…今日の勝負に勝てれば切れてもいいかなって感じかな?」
「なるほど……」
「逆に言えばそれほど切羽詰まってるって感じでもあるけどね」
ゆりの卓が盛り上げっている。
今までのバースデー期間で1番大きなタワーに大量のシャンパンが注がれている。
あれ、一基どのくらいの値段だろう…。
「ゆりさん……昨日お客さんと揉めてたんですよね」
「え?!そうなんですか?!」
「はい…。何かお金使わせすぎかなーって思ってたけど、ゆりさんは人気あるし、席につける時間だって少ないし
それに不満を持ってるお客さんも結構いたりするから。てゆーかゆりさんは元々多くのお客さんを呼ぶってよりかはひとりに多く使わせるタイプだから
この勝負でもしかして焦ってお客さんを呼びすぎたのかもしれないですね…。
それでも今日最後にこれだけ呼ぶってところがさすがってところですけど…」



