「え~!シャンパンいいんですかぁ?!」
「ありがとうございます!!遠慮なくいただきまーす!」
「すいませーん!アルマンドお願いしまーす!!」
色々な卓を回って、シャンパンを飲み干していく。
お金を落としてくれるお客さんを優先的に回って、出来るだけ高額なボトルを卸してもらえるように交渉する。
わたしが頑張らなかったら、一緒に頑張ってくれている人に失礼になる。
でも緊張感の中で、何杯お酒を飲んでも酔えなくて、逆に頭は冴えわたっていって、そんないまの自分を楽しむ余裕すらどこかにあった。
わたしがいて、わたしを指名してくれるお客さんがいて、ボトルを卸してくれる。
いつの間にかゆりの事が気にならなくなっていった。
「やっぱりさくらちゃんはすごいね~!」
昔からの付き合いの会社社長の卓で飲んでいる時ふと言われた。
「そんな事ないですよ~!!
今日はすごく楽しいからいっぱい飲んじゃおっと~!」
「そんなに無理しなくてもだいじょうぶだよ~!」
「飲みたい気分なんです~!!」
そこでその社長は、黒服を呼んで
丁度手前に見えるゆりの卓を指さし、「ゆりさんの卓と同じだけのボトルを持ってきて」と言った。
そこもゆりのバースデー席。
何本も高級なシャンパンが空いている。
ドンペリからアルマンド。ベルエポック。クリュッグ。様々なボトルを出して、派手に見せるのが好きなお客さんなのだろう。その人と同じだけのボトルを持ってきてと言った。



