「うう……どうして…」
「どうしてって~!!
さくらの夢を1番に応援してたのはあたしだよ~!?
そんなさくらが夢を掴む時、あたしがいなくちゃダメでしょ~?!」
「美優ちゃん…会いたかった…」
初めて夢の話をした人。初めて、初めてだらけの世界で優しくしてくれた人。
いまは別の場所で、それぞれの夢を追いかけている人だと思ってたのに。
力なく美優の隣に座った後も、わたしはずっと子供のように泣き続けていた。
いままで、この2週間自分と決めた約束を守るために気張り続けていた。いつだって泣きたい時はあったけれど、正直泣いてる時間なんて1秒もなかった。
けれど懐かしい笑顔を前に、いつまでも涙は止まってくれる事はなかった。
そんなわたしに「泣かないで」と美優は言って、持っていたメイク道具を取り出して、化粧直しを始めた。
キャバクラに入った頃も、こうやって美優にメイクを教えてもらったものだ。
「ヒック……美優ちゃん…ありがとう…」
「ちょっとちょっと~!さくら泣かないでよぉ!!せっかく引き直したアイラインがにじむ~!」
「だって…だって…」
「それにしてもさくらメイク上手になったねぇ~!!入った頃は化粧っ気なんてほんっとなかったけ!!」
「美優ちゃんが教えてくれたからぁ~…えーん…」
「だから!泣かないの!!!
もぉ~授業でもないのに何でお化粧してんの~あたし~!!!」
その様子を見てはるながげらげら笑い、綾乃とお客さんも顔を見合わせる。



