【完】さつきあめ〜2nd〜

こんな光景を見る日が来るなんて
ふたりが争い合っていた日には考えられなかった。
けれどふたりの関係はまるで姉妹のようで、あの過去があったから今があると言えるんだと思う。

「じゃあまぁ今日は飲もうよ！凛さん！！
すいませーん！ドンペリくださ～い！！ピンクのね！！！」

「あら、じゃあこっちも負けてらんないわね。滝沢さん、ドンペリこっちもいいですか？」

「あぁ、勿論だよ」

「ゆいも凛さんも…！！いいのに！！」

そう言えば、ゆいと凛は同じような顔をして微笑むのだ。
そしてゆいの卓と凛の卓で一緒にシャンパンで乾杯をした。
引き留める事もなく、シャンパンに口をつけたらすぐに指名が被ってるんでしょ？と涼たちと同じ事を言ってくれる。

「すいませーん！もう１本ドンペリくださーい！」

「あら、じゃあこっちもお願いしまーす！」

ゆいが頼めば、凛がボトルを卸す。
同じ場所で働いてるわけじゃないのに、それは競い合ってるように
そしてそれをふたりは楽しんでいるようにも見える。
滝沢も吉野をそんなふたりを見て、実に楽しそうにしていた。