「ねー、さくら聞いて、こいつったらあたしのお店の近くで働いてんの」
「え?!じゃあゆいも銀座に?」
ゆいは凛へあっかんべーと舌を出して、こちらを見て微笑んだ。
「別に凛さんの真似してたわけじゃありませぇーん!
たまたまお店探してた時に見つけたんだもーん!!」
「しかも同じビル!勘弁してほしい!!!」
「そんな事言って…凛ちゃん、ゆいちゃんと仲良しじゃないか」
凛の隣にいた滝沢が子供を見るような優しい瞳でふたりを見つめていた。
もちろんゆいのお客さんの吉野も同じような顔をして。
どうやらお客さん同士も知り合いらしい。
「僕はゆいちゃんのお店も行くから。
今日はONEに初めて来て、吉野くんに会えたのにもびっくりしたけど…」
「僕の方こそ…まさか今日ここで滝沢先生に会えるとは思ってませんでしたよ」
「吉野さんは出版社の編集長なの。
滝沢先生も本も吉野さんの出版社からいくつか出しているの」
「あぁ、だから知り合いな訳ですね!
それにしてもゆいと凛さんが同じ街で仲良さそうに仕事してて何か安心した…」
「仲いいとか、止めてよ………」
「なぁに?凛さんあたしの事よく飲みに誘う癖にぃ!」
「あんたはほんっとうるさいわねぇ!!」
「やっぱり仲良しじゃん!!」



