「ちょっとさくらちゃん!!!」
「あはは、凛ちゃん、いいよいいよ。君の言っていた通り面白い子で結構。
それに僕のファンって事で何よりも嬉しいね。僕のファンで若い女の子は少ないから」
「ほんとに高校生の頃からずっとファンで、赤い羽根シリーズが特に好きで…
あの…映画もこの間見させていただきました…」
「滝沢さんはわたしがいま働いている銀座でのお客様なの。
この辺ではあまり飲まないけど、今日はどうしてもって連れてきてもらったのよ」
「凛さん!凛さんも元気そうで!
…てか昔より一層綺麗になりましたね…」
久しぶりに会った凛はすっかり銀座の女と言った感じで前より上品で、そして魅力的だった。
その会話を横で聞いていたゆいが、話に入ってくる。
「ちょっと~…何で無視するの……」
ゆいも男の人を連れていた。
これまた、ゆいが得意とするような年配の男性で、見るからに上品でお金を持ってそうな人だった。
凛が銀座で働いているというのは風の噂で聞いていた。けれどゆいからはお店を辞めた後連絡はなかった。あの事件があって、ゆいはもう夜の世界にいないものだと思っていた。
「てかさくらちゃん!この子うざいんだけど!」」
「えぇ?!凛さんひどくないですかー?!
お久しぶりに会ったから隣にしてくれって言ったのにぃ!」
「あんたと話すためにここに来たわけじゃないのよ!!」



