「だって…いま年末ですよ?!トリガー忙しいでしょ?!」
「ちょ~忙しくてさぁ~
でも涼が付き合ってってうるさいからほんと少しだけ店は任せてきたよぉ~!」
「俺、お前に店に行くって言ったよな?!」
涼がぶっきらぼうにそう言った。どうやら恥ずかしいらしい。
「そりゃ言ってたけど……まさか本当に来てくれるとは思ってなかったんだよ…
てか涼ONEめっちゃ高いんだよ?!
だいじょうぶ?!お金ないでしょ?!」
「てめぇ…俺を貧乏人扱いしやがって……」
「だってお金ないじゃん!!!」
わたしと涼のやり取りに、遥は大きな声で笑いだした。
お金ないじゃん。の言葉によっぽど気を悪くしたのか、涼は「アルマンド、おろす」と言ったから、これまたびっくりだ。
「はぁ?!アルマンドがいくらすると思ってんの?!」
「あのなぁ!俺はお前みたいに無駄遣いもしてねぇし、ちゃんと貯金はしてんの!
アルマンドくらいおろせるよ…。でも1番安い色にしてくれ……」
最後ぼそりと呟いた言葉に、遥はまた笑った。
「1番安いたって!
あんた夜の世界は上がって年明けから昼の仕事につくんでしょ?!
それに綾乃ちゃんとの結婚だってあるんだから!お金はここって時に使いなさいよ!」
何故か母親みたいな心境になってしまう。
その言葉にやっぱり涼はムッとした顔をした。



