綾から聞いた。
綾の彼氏の涼と兄貴はかなり仲が良いらしく
それは夕陽から聞いていた話でも何となく分かっていた。
年下の男を可愛がるなんて、兄貴には到底似合わないが、兄貴をおっさんと呼んだり、自分の立場を気にする事なく接してくれる存在を気に入らないわけない。
綾の彼氏が誰でも認めないなんてこの人の性格上分かってるのだから、それに物怖じしないような男を選んだ綾は中々賢いと思う。
「涼くんいいやつじゃん」
「はぁ?!お前涼の何を知ってるつーんだ!
あいつはさくらに金を貢がせて、店に通わせて…そういう最低な奴なんだ!」
「いや…それは絶対ないでしょ。
大体そんな男を綾が選ぶわけないし、涼くん年内に夜を上がって昼の仕事に就くんでしょ?
綾の事考えてるって、結婚を前提で付き合ってるって俺には言ってたけどね」
「け、結婚だと?!
あんな奴が弟になるなんて絶対に認めねぇー!!!!!」
ふたりの関係性を話に聞く限り、俺や兄貴なんかよりずっと兄弟らしい。
……羨ましいな。
そうやってこの人と関係を築ける、涼がとても羨ましい。
本音で言いたい事を言い合って、憎まれ口を叩いたって、この人の心の近くにいれる、涼が羨ましい。
どうして、俺たちはいつしか気を使いあってしか話せない関係になってしまったんだろう。本当はずっと近くにいたのに。近くにいて、大切にしたいって思った気持ちの全ては嘘なんかじゃなかったはずなのに。



