【完】さつきあめ〜2nd〜


「ごめんなさい…」

「ばぁか~…。
友達と思ってたのあたしだけ~?
何でも抱え込まないで、ちゃんと相談してよ~…。あたしがいるんだよ~…さくらはひとりなんかじゃないんだよ~…」

「ごめん…美優ちゃ…本当にごめん…」

キャバクラで、キャバ嬢が抱きしめ合って声を上げて泣き合った。
はたから見れば異様な光景だろう。けれどわたしたちは人目もはばからず泣き続けた。

「まぁまぁ美優ちゃんもさくらちゃんもとりあえず飲もう!」

そう声を掛けたのはわたしが初めて美優の卓で接客をした久保だった。よく知る顔に、また心が柔らかくなってしまう。

「おい、さくら。
お前を指名しにTHREEに行ってやってるのに俺の連絡を取らねぇとは何事だ。
まぁ、お前がいないお陰でその分はるなに会えたからまぁそれはそれでいいけどな」

「あーら、浅井さん、そんな事言って、ずぅっとさくらの心配ばっかりしてたくせに?」

「馬鹿っ!それは言わない約束だろう!」

「浅井さん…ありがとうございます…」

浅井は元々はるなの指名客だ。
最初は嫌な事を言われたり意地悪もされたけど、シーズンズでは場内指名をしてくれるようになって、THREEに移籍してからはわたしを本指名でたまにお店に顔を出してくれていた。

「まぁそんな事どうでもいいじゃない。
とりあえず乾杯しましょ。はい、さくらグラス」

そう言って綾乃がわたしへシャンパングラスを差し出す。