【完】さつきあめ〜2nd〜


そしてその卓に着いて驚いた事がもうひとつあった。
ヘルプの丸椅子に、ピンク色の華やかなワンピースを着た小柄な女の子。
大きな声で笑い声をあげて、シャンパングラスを持っている指先にピンク色のネイルのストーンが光る。

こちらを振り返って、華が咲いたような明るい笑顔を見せた。

「さくらちゃん!」

「レイさん?!」

落ち着いた双葉の女性たちとは全然違う。
シーズンズで会った時と変わらない小柄で派手な出で立ち。
わたしを見つけて嬉しそうに立ち上がり、手を引いていく。

「へへ~っ!ヘルプで着かせてもらってやーす!綾乃ちゃんたちヘルプいらないって言ったけど、無理やり」

舌をペロッと出して笑うレイは出会った頃と全然変わらなかった。

「レイさん、同伴で入って来て、指名も何組かかぶってるんですよ。
それなのにさくらさんのヘルプに着くってきかなくて。さくらさんも来たし、そろそろ戻りますよ」

「沢村さーん!そんなに怒んないでよー!今から戻りますー!久しぶりだし、綾乃ちゃんたちと少し話したかったんだもぉーん!

あ、さくらちゃんまた後で話そうね!」

そう言って立ち上がり、わたしの背中を軽く叩いて、レイは自分の指名のお客さんのところへ戻って行った。
華やかな見た目はそのままあの頃と変わりはしないけど、彼女が現在このお店で心から笑って仕事をしているのだけはわかった。レイの笑顔が全てを物語っていた。