【完】さつきあめ〜2nd〜


「俺の世界で、金が1番強い。
それ以外に強いものなんて見つからない。それならばそれを賭けてあんたは俺と勝負しな。
俺を動かしたいなら、俺が1番強いと思う物に勝ってみな」

「勝負?」

さっき耳打ちされたホストたちが、テーブルの上にシャンパンを並べる。
さっきと同じ、ドンペリの瓶がずらりとテーブルに並ぶ。
そして互いのグラスに並々と注ぎだす。

「蓮さん!それはないって!!」

「拓也は黙ってろ!

さくらちゃん、君が俺に飲み比べで勝ったら美月に一度くらい会ってやってもいい。さっきの非礼も詫びてもいい
けれど君が先にギブアップしたら俺の時間とこのシャンパンのお金は代償で支払ってもらう」

「え………」

「やめとけって!さくら!
お前これからONEに戻ってゆりさんと勝負するんだろ?!こんなところで潰れてる時間なんて少しもねぇ!!
それにキャバ嬢はホストに飲み比べで絶対に勝てない!俺たちが1日でどれだけの量飲むと思ってる!」

蓮は余裕でグラスを手に取り、並々になったシャンパンを飲み干す。
目の前に並々につがれたシャンパンを見つめ、ごくりと唾を飲む。
…どうしよう。確かに潰れれば仕事にならない。今日わたしがONEに行かなければ、どれだけの人に迷惑をかけると思っている。
それならばいましなくてはいけない事は明確じゃないか。

それなのに、その手はグラスを手に取って、一気に飲み干した。