「…謝ってくださいよ」
「はぁ?」
わたしの言葉に、今まで余裕の態度だった蓮が顔をしかめる。
「美月ちゃんに酷い事を言った事も!
自分の子じゃないって言ったり、全部美月ちゃんに謝って!
あなたみたいな男が1番許せない!」
「何なんだよ、お前。
お前は俺が美月と一緒になってガキを育てりゃー満足なのか?」
「今日あなたと改めて話して最低な人だってのは分かりました!
…父親がいなくたって子供はまともに育つ。
でも美月ちゃんを侮辱した事は本人に謝って…!
逃げてばかりいないで、一度くらいは美月ちゃんとちゃんと向き合ってみなさいよ!!」
「お前……」
いつまでも平行線の話し合い。
痺れを切らした拓也が宥めるようにわたしの肩を掴み「もういいだろ」と言った。
それでも退かなかった。目の前のふたつのグラスが空しく置かれて、薄紅色の液体の中で気泡が浮かんでは消えていく。
わたしたちは向き合い、睨みあっていた。
「美月に一度くらい会ってやってもいい。
でも俺があんたに割いた時間の代償は払ってもらうぞ。
何て言っても俺はSKYのナンバー1で、あんたに割いたこの時間だけで金をいくら動かす人間だと思ってるんだ」
「あなたが美月ちゃんに一度でも向き合ってくれるのなら、お金をいくら割いても構わないわよ!!」
その言葉に、蓮はにやりと笑った。
そしてホストを呼んで、何か耳打ちをした。



