「もちろん良い意味で、有明くんがさくらさんに夢中になる理由もわかりますよ」
見え見えのお世辞だってわかってるのに、この人の持つ雰囲気や柔らかい口調が人の気分を良くさせる。生まれ持ったそういう才能の人って絶対にいる。
やっぱりそれぞれのお店で色々なカラーがあって、店長ひとつとっても様々な人ばかり。
けれど沢村みたいなスタッフが七色グループに残ってくれた事に安心した。
「沢村さんは口が巧いですね」
「はは、よくお前の笑顔は嘘くさいって酔っぱらった由真ママに言われますよ」
「いや、嘘くさいとかそういうのじゃなくて、天然のたらしなのかな~って!」
「さくらさん酷いなぁー!僕は心から思った事しか言いませんよ!」
ふたり、顔を見合わせて笑う。
良かった。由真がいて、沢村が店長のお店なら、うまくやっていけそうだ。
久しぶりに仕事に復帰することにも勿論不安があったけれど、その不安がすぐに取り除けたのは今にして思えば由真と沢村の存在があったからだ。
笑ったと思ったら沢村はすぐに真剣な顔になった。
「もちろんさくらさんと仕事が一緒に出来るのは嬉しいですけど、何かあれば遠慮せずに僕に言ってくださいね?
女の子が働きやすい職場にするのも僕の仕事のひとつでもありますし、その、さくらさんは色々あったと思いますからね。仕事も復帰したてでバースデーをしてもらうことも本当は心苦しいのですけど…」
「いや、それは関係ありませんから、自分の出来る限りの事は頑張るつもりです…。
あの…沢村さんは有明さんと連絡取ってるんですか?」
光を知ってる人。
そんな人だからこそ、光の現状を聞きたくなった。



