急いで着替えてフロアに出ると、更に驚いた光景が目に入った。
「おっせぇよ……!!」
「ご、ごめん!ちょっとトラブルがあって…」
「お客さん待たせてるんだぞ!…てかその服いいな。似合ってる」
雪菜が手渡したワンピースは驚くほどわたしにぴったりだった。
結構な身長差があるのに不思議なもので、白いピンヒールも用意されていたみたいにぴったりだった。
「えっと、遠藤さんから着いた方がいいんだよね?」
「…それは何とかなってるから、とりあえず田中さん着け。
お前的には田中さん希望だろ?」
高橋が遠藤を優先に着けと言ったのに、わたしは慌ただしく田中の元へ向かった。
そして暫く着いた後、抜かれて遠藤の卓へ着く事となった。
順番とはいえ、遠藤の機嫌も同じくらい心配だった。
そんなわたしの心配とは他所に、2階フロアの死角になっていた卓から、遠藤の機嫌の良さそうな笑い声が聞こえてきた。
「さくらさんです!!
雪菜さん、お願いします!!」
「え?!」
「はぁ~い!!!
じゃあねん、遠藤さん~!話せてちょ~楽しかったでぇーす!」
「おお!!また来いよ!」



