家ではあんな感じな人だけど、職場ではやっぱり違う。
「さっそくですけど、さくらさんの担当は僕がさせてもらう事にします。
入店してすぐで申し訳ないんですけど、3月がバースデーという事でバースデーイベントももろもろ企画していきたいのですが…」
「はい、よろしくお願いします」
「さくらちゃんはシーズンズでもTHREEでも無遅刻無欠勤で働いてきたから何の問題もないと思うけど、ちょっと打たれ弱いところがあるからよろしくね」
それだけ言い残して、煙草の火を消してから由真は優雅にソファーから立ち上がった。
残されたわたしと沢村。
沢村はわたしと目が合うとにこりと柔らかい微笑みを落とす。
「さくらさんとは、実は何度か会った事があります」
「え?!」
「会ったというよりは、お見掛けをした事があります。
お客さんと同伴だったり、有明くんといるところなんかも
さくらさんはよく目立つ人だから」
「いやぁ、そんな…。って目立つって…悪い意味で?!」
背の高い沢村を見上げる形になる。
黒目がちな瞳を緩ませて微笑む沢村を見て、何て優しい顔をする人なんだろう、と思った。



