「でも光に声を掛けられて七色グループに入ってきたって…。
ダイヤモンドには行かなかったんですか?」
わたしの言葉に、沢村は少しだけ首を傾げて微笑んだ。
言ってしまった後にハッとした。
「あ、有明さんと昔からのお知り合いなんですね」
「いや、有明くんとさくらさんの話は有明くんから聞いてますから一通りはわかってますので、安心してください。
僕は確かに有明くんに声を掛けられてこの会社に入ったんですが、黒服時代からずっと由真ママの下で双葉で働いてきた人間ですから。
有明くんの事も勿論ですけど、それ以上にママのに信頼を置いていますので」
きっぱりと言い放った沢村の横で、由真は照れ臭そうに笑い、煙草に火をつけた。
「よく言うわ~!
この人人前ではこうやっていい顔してるけど、あたしとは経営方針が合わないとすぐ喧嘩になんのよ~!」
「円滑に業務を進めていく上での話合いは必要事項だと思ってますけど?」
沢村はにこりと由真へ微笑み返した。
ふんっと言った感じで由真は嬉しそうに煙を口から吐いていく。
やっぱり、由真だ。
ママとして長年男だらけの社会で上に立ってきただけの事はある。
人と人との信頼をきちんと築いているから、由真についていく人は大勢いたのだ。



