「深海くーん!おはよぉ!!おぉ!!すっごい荷物持ってんね~!」

「さくら、おはよ」

「あぁー!!これ新作のカップ麺じゃん!!」

「おお良かったら食べるか?」

「いいの~?!」

「おい、さくら!!
お前これからラーメン同伴行くんじゃねぇのかよ!!」

「これは夜食に食べる~!!
深海くんありがとう~!!はい、これお礼の栄養ドリンク!鬼に毎日こき使われてご苦労様~」

「サンキュ!」

「おい!さくら!鬼って誰だぁ?」

「あはは~!!じゃあ同伴行ってきま~す!!」

深海や光もこの頃はONEでボーイをやっていた。
勿論この俺だってホールに立つ事があったくらいで、今みたいに事務所なんてもんもなかったから、事務仕事も店のバックヤードでやっていた頃だ。
お城のような大きな店と違いただの大衆キャバクラ。
今よりずっとキャストとスタッフ距離が近くて、今よりずっと仲が良かった。

「ほんと……さくらは優しいな」

「カップラーメン取られたくせに何言ってんだか」

「いや~宮沢さん、店売りがあんなにあってあんなに優しいキャバ嬢早々いませんって」

「調子がいいだけだろ。
それよりてめぇ由真とは連絡取れてんのかよ?」

深海は大きなため息を吐いた。