【完】さつきあめ〜2nd〜

今もきっとそう。
朝日の事が好きなのに、それでも自分が傷つく事が怖くて、朝日の元から逃げ出してしまった。
相手の気持ちも聞こうともせずに、相手が何を思っているかも受け止めようともせずに、ただただ逃げているだけ。

「行こうか」

おもむろに光はカフェの椅子から立ち上がった。

「どこに?」

「あの人のところでしょ?」

今なら確かに感じれるのに。
この人がどれだけわたしの事を思っていてくれていたか。
あの頃だって、わたしの為に別れの道を選んでくれていたって
いつも優しかった光は、自分の事だけじゃなくて、周りの事ばかり考えて生きてきたって
今なら、分かるのに……。

昨日の大雨が嘘だったかのように空は晴れ渡り
太陽の光りが眩しくて、目が眩む。
光はわたしの手を引いて、強引に連れ出してくれた。いつもはこんなに強引じゃないのに、いざという時は強引なのが血は争えないというか2人は兄弟なんだと改めて感じさせられる。

光はわたしの事や朝日の事ばかり考えてくれている。
けれどこの期に及んでわたしはまだ自分の事ばかり考えていた。