【完】さつきあめ〜2nd〜

水族館を一通り見終わって、お土産屋さんに行く。
しかし水族館というものは様々な人がいる。
恋人に家族。友達同士。日曜日だからか、小さな子供を連れた家族連れが多いような気がした。
それもまた微笑ましい光景だ。

「ねぇ見てこれ!可愛い!!」

朝日の腕を引っ張って、キーホルダーのかけられているスタンドを指さす。
魚たちの可愛いマスコットがそこには並べられていた。水族館で人気の、ペンギンやイルカ。さっきふたりで話していたクラゲまでいる。
キーホルダーには紐が着いていて、引っ張ったら上下に動くように作られている。

「何それ、変なの」

「え~可愛いじゃん~!!
ねぇ買ってあげるよ!お揃いでつけようよ!
あたしがピンクのクラゲで、朝日が青のクラゲね!」

朝日は大袈裟にげぇって顔をした。

「お揃いって!それに何につけるんだよ」

「ん~!あ~!そうだ!鍵につけようよ!あたしいっつも鍵そのまんま持ってるから!」

そう言うと朝日は家の鍵や車の鍵がついているキーケースをわたしへ見せつけた。
得意な顔。その右手には高級ブランドのキーケースが揺れていた。