「…さくらがお節介なのは知ってるから、美月の事何となく放っておけない気持ちは分かるよ。
でももうあんまり関わるなよ。あいつに関わったってろくな事が起こりやしねぇ」
「え…そう?」
「ふたりでいる時は美月の話なんて聞きたくねぇって話だよ。
それより明日行く水族館ネットで写真見てたんだけどすげぇぞ」
話を変えるように朝日は自分の携帯を取り出して、得意そうに笑った。
画像の中にはまるでイルミネーションのような水族館が写し出されていた。
「わぁ!綺麗!」
「だろ?!さくら絶対喜ぶと思ったんだよな!」
「水族館なんて久しぶり……
小学生の頃家族で行って以来だな…」
「ちなみに俺はこの歳になるまで水族館に行った事がないぞ」
「え?ほんとうに?!」
「あぁ、家族で水族館って何かいいな。理想的な家族って感じ」
小さい頃、わたしはお父さんとお母さんに色々な場所に連れて行ってもらっていった。
それを思い出した時、ふと両親の顔を思い出した。そして、朝日の事を考えると胸が痛む。
そんなわたしの表情を見て何かを察したのか、朝日はわたしへ向かってでこぴんをした。
「なんつー顔してんだよ!さ、今日は早く寝るぞ!つってももう夜中だけどな。俺が片付けておくから、お前は先に風呂にでも入ってろ!」
「いいよ!あたしがするよ!朝日だって仕事で疲れてるのに!」
「いーっつぅの。お前風呂長いしさ」
そう言って、朝日は笑顔で食器をキッチンへ運ぶ。



