指名客のひとりに、SKYの雅と拓也が来ていて、驚いた。もちろんレイとわたしのダブルで指名をしてくれた。
「拓也さん!どうしたの?!」
「どうしたもこうしたもねぇよ。飲みにきたんだって」
「拓也さんがさくらちゃんに会いたいってうるさいから今日は飲みにきたんだ~!」
「うるせ、雅」
「え~…何かすいません。あたし全然SKYに飲みに行ってないのに…」
「全然飲みに来てくれないから、営業かけにきたんだ」
拓也は冗談めかしてそう言った。
レイはよくSKYに飲みに行っているので、営業返しと言ったところだろうか。
飲みに行っていないわたしまで指名してもらい逆に申し訳ない気持ちになる。
「それより、美月元気そうだね」
拓也の視線が、美月を追っていた。
「あ!お陰様でいまは毎日きちんと出勤してきてるよ」
「何か最近俺の知り合いのホストんちにも行ってねぇみたいで、また出勤してないかなって心配してたけどだいじょうぶそうだな」
「美月ちゃんって、拓也さんのお店にも指名してるホストいるの?」
「うん、いるよ。つってももう全然店来てないけど。
噂では趣味カノみたいな感じだったし」
「趣味カノ?」
「あぁ。なんてーの、店にも呼ばねぇけど付き合ってもいない感じっての?
可愛い子だからとりあえず遊べればいいかなーって感じの」
「何それ…やっぱりホストって最低ですね……」



