「あたし、光が好きなの」

好きなの、と告げた南の瞳は真剣だった。
わたしはただ単にあの時南に光を取られたと思って、それだけで憎かった。
でもこの人は真剣に光の事が好きで、光を支えたいから、ダイヤモンドで頑張ってるんだ。
少しだけゆりに似ている強さを持っている人だと思った事がある。そして今日再び向き合って見て、やっぱり南はゆりの持っている強さに似ている人だった。

「好きだけど、自分じゃ一緒にいてもどうしようもないってもう分かってるから
だからせめて好きな人の夢を応援してあげられる人でありたいと思う。
仕事の面でなら助けてあげられるけど、精神的な面ではあたしじゃダメなの分かってるの」

好きだけど一緒にいれない。
それはまるでわたしと朝日のようで
けれどわたしは南のように、朝日が誰かと一緒に笑っていれるのを近くで見れるほど強くはなかった。
それが嫌で、自分の中の嫉妬をおさえれなかった。けれど目の前の南は違う。光のために光のお店で頑張って、けれどわたしと光が一緒にいることを望んでいた。
なんて健気で、強い愛なのだろう。わたしには、到底出来ない。

「南さん…ごめんなさい。それでもあたしは…光とは一緒にはいれません…」

「さくらちゃんが謝る事じゃないわ。逆に関係のないあたしがごちゃごちゃ言ってごめんなさい…。
でもこれだけは知っておいてほしいの。光が自分のお店を持ったのも、あたしを利用したのも、夜の女の子の気持ちを色恋で利用しようとしたのも、全部全部あなたのためなの
光は本気で、あなたを愛してるわ」