携帯を取り出して、互いの連絡先を交換した。
拓也は携帯を上着のポケットにしまって「連絡先ゲット」と悪戯っぽく笑った。
「なんかやられた気がする!!」
「何がだよー!もしもめちゃめちゃ暇で、誰も遊んでくれる人がいなかったら俺にいつでも連絡してよ」
「そんなめちゃめちゃ暇になる事は絶対にないと思いますけど
もしもへこんで、めちゃめちゃ病んで誰にも相談出来なくなった時は連絡しますね
99パーセントないと思いますけど」
「うわぁー、今俺めっちゃへこんだわー」
そう言って、拓也は無邪気な笑顔で笑った。
その顔を見て、この人が案外綺麗な顔をしているんだと気づいた。
拓也と雅は1セットだけお店にいて、これから出勤だとお店に向かった。
シャンパンを2本空けて、これから自分たちのお店でも浴びるほどお酒を飲むのだろうと思うと、ホストという職業は改めてタフだなぁとふたりの背中を見送りながら思った。
「てゆーかびっくりしたじゃ~ん!!さくらちゃんがホストと知り合いとか~!」
「知り合いっていうかさぁ…」
「RUEグループって結構有名なグループなんだよ!!
それに拓也さんってかなり人気のあるホストで有名だよ~!!あたしは雅くんの方がいいけどさ~!!」



