「いやいや褒めてるんだけど?
ホストの俺が言えた事じゃねぇかもしれないけど、キャバ嬢なんてちょっと可愛いだけでちゃらちゃら遊んでる奴多いじゃん。
だから俺にとって美月みたいな奴の方が全然珍しくはないって事」
「でも!美月ちゃん好きな人がいるんですよ?!」
「好きな奴がいても、寂しかったら誰とでもやっちゃうタイプでしょ?
つぅか女ってそういう奴ばっかりじゃん。ホストに来る女だって、俺だけとか言って、ちゃっかり他店に浮気ホスト作っちゃったりしてるんだからさ」
「…それは偏見だと…」
少なくとも、わたしの周りにいるキャバ嬢は真面目に恋愛してる子も多かったし、誰とでもやるような人ばかりじゃない。
「でも結局心も病むし、寂しい職業だからね」
静かに言った、拓也の言葉には説得力があった。
孤独を感じる事も多い仕事だし、人の心や体を売り物にしている世界だ。
もしかしたらわたしの方が珍しいのかもしれない。
「でも俺、結構さくらちゃんの事マジで気に入ったかも」
「いやいやいやいや無理です!!ホストは無理です!!」
「いいじゃんいいじゃん。お店に来いなんて言わねぇよ。今度プライベートで遊ばない?」
「無理!」
「あーあー、振られちゃった。でも連絡先教えてもらう事くらいはいいでしょ?
美月ちゃんの情報が入ったら連絡するし、何か分かるたびにお店に来るほど俺も暇じゃねぇし」
「う……それは……
じゃあ、連絡先だけ…」



