「あたしは、そんな女じゃない…。
いつかきっと…あなただって後悔をする日がくる…」

「後悔…?」

「何でもないわよ………。
そんなことよりあの美月って子、朝日に随分御熱心みたいだけど。
朝日って寂しいとすぐに女抱くし、元々どうしようもない人だったけど…
あの子、結構朝日のタイプよね」

どきりとした。
わたしが感じた事、そのままゆりも感じていた事に

「あんな馬鹿女と付き合いやしないけど、寂しけりゃー相手にはしてやるかもね」

「………」

「そんな事でいちいち傷ついてんのなら、朝日なんか好きにならない方が身のためよ」

「あたしは違う!!」

…何が違うというのだろうか。この期に及んで
それでもゆりを前にして、朝日を好きだと素直に言う事が恥ずかしかった。
何ひとつ目の前の美しい人に勝てずにいる自分が。

「何で有明さんじゃだめなのよ……」

ゆりはわたしの顔を見ずに、ビールの入っているグラスを見つめながら独り言のように呟いた。

「あなたが有明さんとずっと一緒にいてくれれば…こんな事にならなかったのに……」

それはわたしが光を好きでいれば、光は七色を辞めなかったし、朝日がここまで追いつめられる事もなかったという事なのだろうか。
この時少し、思い違いをしてしまっていた。