「このふた月はたまたまですよ…。
なんて自分の実力が足りないだけの言い訳ですけど」

「ほんと、言い訳ね。
でもふた月はたまたまってのは間違いないかもね」

「え?」

「ああいう運を持ってる子たまに見かけるわ。生まれ持って見た目も華やかで、お客さん運もいい。
根っから人を引き付ける魅力ってもんがあんのよ。それに若いから、勢いってもんもあるしね。調子に乗らせたらその勢いでどこまでも行っちゃうタイプね」

「確かに…。
美月ちゃんは可愛いし、魅力がある子だと思います…」

「男っつーのはね、ああいう壊れやすそうな子が意外に好きだったりすんのよ。
けど、あの子は自滅するタイプだと思うけど」

「自滅?」

不思議そうにゆりを見つめると、ゆりは口角を上げたまま微笑んだ。

「せっかく掴んだお客さんを無下に扱ったり、根本的に人を大切に出来ないタイプでしょ?
ああいうのはお客さんが離れていくのも早いのよ。まぁ来月にはあなたがナンバー1に戻ってるんじゃない?
まぁナンバー1っつっても双葉だけの話だと思うけど」

どうしてここまで自信が持てるのだろう。
けれどゆりの自信はフェイクなんかじゃない。内側からあふれ出てくるような自信が彼女にはある。