【完】さつきあめ〜2nd〜

別に関係ない、なんて大嘘だ。朝日がわたしを迷惑だと思ってる。さっきの美月の言葉が重くのしかかった。
わたしのいないところで、わたしの事を朝日が言ってったって何ら不思議な事なんかじゃない。
はっきりとしないわたしを、朝日はもう疎ましく思っているのかもしれない。

「さくらさ~ん…ごめんなさい…」

残された愛は申し訳なさそうに頭を下げた。
とばっちりも良い所だ。けれどいつもは調子よく周りと合わせて、美月にもどこか頭があがらないと言った感じの愛が言い返すなんて意外だった。

「いやいや…全然愛ちゃんのせいじゃないでしょ。
逆に庇ってくれてありがとうね…」

「あたしはさくらさん好きっすから~!何か美月が訳のわかんない敵対心持ってるみたいですけど…
ああいう性格だからあんまり昔から友達もいない子なんすけど…根は悪い子じゃないんですよ…。
うちやるなみたいに昔から仲の良い奴らには仲間想いのところもあって、でもやっぱり昔から女の先輩とかからは嫌われまくってて」

「あぁ、美月ちゃん可愛いもんね。僻みとかでしょ?」

「その通りなんすけどね。美月も美月でやられたらやり返すって感じの子だから
いじめてきた先輩の男盗ったりして、なんやかんや昔から問題多いんすわ…。
何か美月、宮沢会長は会った時から一目ぼれだったらしくて、さくらさんと付き合ってるって噂で聞いたって…だからさくらさんだけには負けたくないって頑張ってるみたいで…」