「そう、あたしには関係のない事だわ」

「じゃあ!じゃあ何でわざわざ追いかけていったりするんですか?!
そうやってさくらさんがつきまとう事が宮沢さんにとって迷惑だって考えた事ないですか?!」

迷惑…。
付きまとう。
確かにわたしは朝日とは付き合ってないし
はたから見たら、朝日を追いかけてつきまとってる迷惑な女なのかもしれない。
でもそれは朝日が決める事で、美月に言われる筋合いのない事だ。

「別につきまとってなんかない…。
それに美月ちゃんにだって関係ない事でしょ?」

「関係あります!邪魔なんです!それに宮沢さんさくらさんの事困ってるって!迷惑だって言ってたもん!」

朝日がわたしを迷惑なんて言うわけない。そう思う事自体、わたしは朝日に愛されてると思いあがっていたのかもしれない。
今にでもわたしに殴りかかりそうな美月を、愛は止めに入った。

「止めなって!美月!
お酒入ってるからって言っていい事と悪い事があるよ!」

「何よ!愛にはもっと関係ない!」


「確かに関係ないけど…
さくらさんだって関係ないって言ってるでしょ?
美月が会長を好きな事なんて美月の勝手なんだから、変なところでさくらさんに八つ当たりするの止めなよ!」

愛の言葉に、美月はふんと鼻を鳴らして
ロッカーから自分の荷物を取り出して、大きな音を立てて更衣室から出て行った。