【完】さつきあめ〜2nd〜


「あぁ~!美月はさくらちゃんが嫌いって言うより、人が嫌いなんでしょ??
レイもあの子なんか苦手だし…。
つぅか男の前と女の前で態度違いすぎてむかつく!
愛やるなも言ってたけど、中学の時から女の子に嫌われたり、先輩に目をつけられたりしてたんだって~!
まぁあれだけ綺麗なら嫉妬とかもあったんじゃないかなって思うけど、本人の性格にも難あるよね~!」

美月の生まれ持った容姿。
そして決して恵まれているとは言えなかった過去。
わたしが美月に嫌な気持ちを抱いたのは、美月が売り上げを伸ばす才能があるキャバ嬢だったからでもなくて、もちろん生意気だったからでもない。
頭の奥で、警告音がしていた。
近づけるのは、危険だ。と。

だって彼女の持つ華やかな容姿が、彼は好きで
彼女の持つ過去と母親を重ねて、きっと放っておけなくなる日が来る。そんな予感がしていたから。
わたしが彼女を気に入らなかった理由はそんな単純な事だった。
どうか巡り合わないで欲しい。自分勝手な願いばかり。
それでも、嫌な予感程、当たったりするものなのだ。