「えぇー!ていうか涼も教えてよ!!おめでとう!本当にお似合いすぎる!」

「何で俺がお前にわざわざ綾乃と付き合った報告しなきゃいけねぇんだ、女友達でもあるまいし」

「…はるなちゃんの言う通りだよ…綾乃ちゃん、よくこのひねくれものと付き合ったね…」

美男美女。はたから見ればお似合い。
確かに涼の方が年下だけど、元々涼も大人びているから、綾乃と並ぶと絵になる。
でもまさか、綾乃の選ぶ人が涼だなんて意外だった。さっきはるなの言った通り、綾乃はもっと大人の人と付き合うと思っていたから。

「なんかね、さくらがきっかけで出会ったようなものだから…さくらには何か悪いかなとか思ったんだけど…」

涼が綾乃の隣にぴたりと寄り添って、こちらを見た。
…悔しいけど、やっぱりお似合い。

「お前らは綾乃が大人だとがギャーギャー騒ぐけどさ、この人案外子供っぽいところ沢山あっぞ?
意外に天然だし、抜けてるとこもいっぱいあるし、俺が面倒見なきゃなーて。俺放っておけねぇような女意外と好きだから」

「はは…、確かにあたしはさくらたちが思ってるより全然大人じゃないし、しっかりしてないわ…。
涼のが全然大人だよ。それに涼は口は悪いけど、すっごく優しいしね」

顔を見合わせて、幸せそうに微笑むふたり。
これは嫉妬とか僻みとかそう言った類のものじゃない。
大好きな綾乃と涼が付き合うのは素直に嬉しい。けれど、とても羨ましい。
当たり前のように一緒にいられて、それを周りが認めて祝福してくれて、何も違和感も感じず、互いの顔を見つめ合って、笑い合う。