一ノ瀬くんだった。
髪をタオルドライしている彼は、かろうじて下着は身に付けているものの、他はまだで。
長くてしっかり筋肉のついた脚だとか、意外にも六つに割れた腹筋だとか、筋の出た腕だとか、色々アウトな部分が惜しげもなくさらされている。
濡れた重みでまっすぐになった黒髪。
そこからポタリと落ちた水滴が、肩かららゆっくりと肌をすべっていくところまで、しっかりと目で追ってしまった。
「こ……」
「こ?」
「こちらこそ! 失礼しましたーっ!!」
叫びながら脱衣所のドアを思い切り閉めた。
バクバクと心臓が激しく動きすぎて、口から飛び出してきそう。
なにあれ! すっごく男の子だった!
一ノ瀬くんは帰宅部だしスラッとしていて、男くささがあまりない人だと思っていたのに。
お風呂上がりの一ノ瀬くんは、そんなイメージをひっくり返すくらい、ものすごーく男の子だった。


