素っ気なかったけど、なんとか返事をしてもらえた。
マロと一緒に一ノ瀬くんが出ていくと、春陽くんが「兄ちゃんが照れてる。ウケる」とぼそりと言った。
え。いまの照れてたの? どこが?
「兄ちゃん、いっつも家に帰ってきてすぐマロの散歩に行くんだ」
「へえ。日課なんだ?」
「うん。うちでいちばんマロを可愛がってるの、兄ちゃんだから。マロも兄ちゃんにいちばん懐いてるし。僕が散歩するとすぐ走って振り切ろうとしてくるくせに、兄ちゃんといるとおりこうなんだよ」
つんと唇を尖らせる春陽くん。
これはお兄ちゃんに嫉妬しているのかな。可愛いなあ。
それにしても、やっぱり一ノ瀬くんは面倒見がいいんだ。
「だから用事がないと、兄ちゃん学校終わって真っすぐ家に帰ってくるんだよ」
「そうなんだ。えらいねぇ」
「でも兄ちゃんヒマなのかな? 高校生ってもっと遊んだりするものなんじゃないの?」


