167センチと上背はあるし、目は大きいだけでちょっときつい印象の猫目だし。

黙っていると「怒ってる?」って言われるくらい、目つきが悪いみたいだし。

肩のあたりで切りそろえた真っ黒な髪を、小鳥はさらさらでうらやましいと言ってくれるけど、小鳥のふわふわと柔らかい曲線を描く栗色の髪の方がずーっと可愛い。


「私はいいの! 男なんて好きになるわけないし」


私みたいな可愛くない女を好きになる男だっていないと思う。


「でも、ほら。彼は? 彼は別なんじゃない?」

「彼?」

「前に電車で助けてくれた、隣のクラスの」

「ああ! サッカー部のチャラ王子ね!」


悪気なくそう言ったミーナを、私は思わずにらんでしまった。


「高橋くんはチャラくない!」


こぶしを作って叫んだ私に、小鳥とミーナが目を丸くする。

い、いけない。声を張りすぎた。