「はあ? どうやったらそう見えんだよ」
「えー? 怪しいなあ」
妙に食いついてくる高橋くんを笑顔で誤魔化し、ふたりから離れる。
ああ、危なかった。
あそこで叫んでいたら、いきなりバレてた。
「あの、私行くね! 移動教室だし!」
それじゃ、と逃げるようにその場を後にする。
でも小鳥たちのところに行く前に森姉妹とすれ違い、その瞬間ふたりから鋭い目つきで睨まれた。
「千秋に馴れ馴れしくしてんじゃねーよ」
その棘だらけの声に思わず振り返ったけど、森姉妹は何事もなかったかのように「千秋おっそーい」と一ノ瀬くんのもとに走っていく。
こ、こっわ~!
いま言ったのって、姉と妹のどっち?
まさか同時に同じことを言ったとか。
双子は声もよく似ているみたいだから、充分ありえる。
やっぱり同居のことは秘密にして正解だったかもしれない。


