「どこからバレるかわからないだろ。お互い秘密は守るべきだ」
そう言われてしまえばうなずくしかない。
私は居候の身だし、なるべく一ノ瀬くんの希望に沿うようにしなくちゃ。
ふたりには同居が終わったらすべて話して、隠していたことを謝ろう。
「わかった。誰にも言わない。絶対秘密ね」
「よろしく。ところで佐倉。お前好き嫌いはあるか」
「へっ? いきなり、何?」
「食べ物。母さんが聞くの忘れてたから聞いてくれって。さっきからメッセージがしつこいんだよ」
スマホの画面に映るトーク履歴を見せられ、納得する。
京子さんが私の同居を本当に楽しみにしてくれている感じが、たくさん連なるメセージから読み取れてうれしくなる。
「嫌いなものはないから、何でも食べますって伝えてくれる?」
「嫌いなもんはなくても、好きなもんくらいあるだろーが。肉と魚どっちが好きとか、そんくらい言えねぇのかよ」


