私……いい友だちに恵まれたなあ。

なんて幸せ者なんだろう。


やっぱり彼氏なんてできなくても、女友だちがいれば、充分満ち足りるけどなあ。

でもそれじゃあダメだってふたりは言うし。

ふたりともいまは彼氏いないんだし、私はそもそもそんな存在必要ないし、このままでもいいのに。


「だから梓、本当にムリはしなくていいからね」

「そうだね。きつかったら遠慮なく言いなよ。私たちはアズにゃんの味方だからさ」

「ふたりとも……ありがとう」


落ち着こう。

まだ京子さんの息子さんには会ってもいないんだから。

挨拶に行って、京子さんの息子さんと直接会って、どうしても……どうしてもムリだったら、その時は小鳥とミーナにお願いしよう。


もう高校生なんだから、嫌だからって逃げてちゃダメだよね。

大人になりたくないってだだをこねる子ではいられないのが、少し寂しかった。